どんな病気か
年をとると頚椎にも老化現象が現れ、椎間板、椎間関節、靱帯の付着部などを中心に、加齢に伴う現象、すなわち「変性」が起きてきます。
それによって、椎間板が断裂したり、椎骨の縁などに新しい骨(骨蕀)ができたり、頚椎がぐらぐらと不安定になったり、靱帯が厚くなったりすることがあります。
それは「頚部脊椎症」です。
症状
まず現れるのは首や肩の症状で、
「痛み、こり、違和感、運動制限、運動痛」といった症状です。
運動痛は、多くの場合、上を向いたときに痛みが生じます。
そのため、電球の交換、洗濯物干し、高い窓の掃除、うがい、美容院のシャンプーなどで痛みが出ることがよくあります。
頚椎から出ていく神経が障害された場合には、その神経が支配している場所に症状が現れます。
「腕への電気が走るような痛み」といった症状があります。
検査と診断
まずどのような症状があるのか問診を行い、患者さんの首を上に向かせて、上から頭を押して痛みが出るかどうかを調べる「スパーリングテスト」、手を開いたり閉じたりする運動を10秒間に何回繰り返せるかを調べる「10秒テスト」などがあります。
画像検査では単純エックス線とМRI検査がよく行われます。
日常の対策
年をとれば、椎間板、椎骨、靱帯などに加齢に伴う変性が起きることは避けられません。
しかし、なるべく頚椎に負担をかけない生活を送ることで、痛みなどの症状を起きにくくすることは可能です。
老化現象の起きている頚椎にとって、最もよくないのは首を後ろに反らせる姿勢です。
急に首を反らせたり、長時間その姿勢を続けたりしないように注意してください。
また、首が冷えると症状が出やすくなる傾向があるので、寒い季節には、マフラーやハイネックのセーターなどで首を温かく保つことも、症状が出るのを予防するのに役立ちます。