腰部脊椎症とは
年をとると、脊椎の椎骨や椎間板にさまざまな変性や変形が生じてきます。
これは誰にでも起こる老化現象で、それによって必ずしも症状が引き起こされるとは限りません。
しかし、なかにはこうした変化によって、腰痛などの症状が現れる場合もあります。
これが「腰部脊椎症」です。
椎骨や椎間板の老化は、脊柱のどの部分でも起こりますが、症状が現れやすいのは腰部です。
これは、腰部は脊柱の中でも動く範囲が広く、脊柱の下部にあるため、大きな重量が常にかかることが原因となっています。
つまり、脊柱の中でも腰部は特に負担が大きいため、椎骨や椎間板が障害されやすいのです。
症状
椎間板や椎骨の老化現象によって、何らかの症状が引き起こされているのが腰部脊椎症です。
症状には、次のようなものがあります。
慢性腰痛
腰部脊椎症で現れる最も代表的な症状が「腰痛」です。
起床時に動き出すときや、座っていた状態から立ち上がるときなど、動作の開始時に痛みが強く現れ、動いているうちに軽くなるのが特徴です。
背骨の変形
椎間板が左右非対称に変形することで、「脊柱側弯」が起きることがあります。
また、椎骨が変形することで、本来は軽く前弯(前方の凸の弯曲)している腰椎に、「後弯(後方凸の弯曲)」が起きたりします。
いわゆる“腰曲がり”の状態です。
ただし、これらは加齢に伴う自然な変化で、たとえ腰が曲がっていても、それによって痛みが必ず起きるとは限りません。
痛みやしびれがある場合にのみ、問題となります。
腰部脊椎症の改善のポイント
腰部脊椎症は、一般的には体を反らせるときに痛むので、うつ伏せになって本を読んだり、高いところの物を取ろうとすることで、痛みが起こることがよくあります。
また、重い物を持ち上げたり、前かがみの姿勢で作業を続けたりすることも、腰に負担となります。
だからといって、腰を大事にしようと安静にしすぎるのも逆によくありません。
出来る範囲で体を動かすことが大切です。
体を動かして筋肉を強化することによって、腰にかかる負担を軽減できます。
また腰痛などの痛みは、心の健康状態と密接な関係があります。
ストレスがたまっていたり、悲観的になって後ろ向きな心理状態になると、症状を強く感じたりします。
なるべくストレスをためないように、体と心の健康を保つよう心がけましょう。