外反母趾とは
足の親指の付け根の関節が変形し、母趾が体の外側を向いた状態になるのが、「外反母趾」です。
変形した関節は体の内側(母趾側)に突出するため、靴を履いたときには、その部分が靴に当たってしまいます。
それによって突出部に炎症が生じ、痛みが引き起こされることによって外反母趾になります。
初期のうちは靴を履いている時だけ痛みますが、進行すると靴を脱いでいるときにも痛むようになります。
また、関節の変形が著しい場合には、母趾が第二趾と重なってしまうこともあります。
外反母趾は人間が靴を履くようになって生まれた症状で、日本では戦後になってから増えてきました。
男女比は1対7~8割と圧倒的に女性に多い症状です。
外反母趾の原因
ハイヒールや先の細い窮屈な靴は、関節の変形を招く最大の原因となっています。
ハイヒールがよくないのは、体重が足の前側にかかり、それによって足の横のアーチがつぶれやすくなるからです。
アーチがつぶれた状態で靴を履くと、母趾が圧迫されて外側を向くようになります。
また、足自体に原因が潜んでいることもあります。
母趾が第二趾より長かったり、もともと母趾が外側に傾いていたり、偏平足だったりする場合には、そうでない人に比べて外反母趾になりやすいのです。
足の形は親に似るので、親が外反母趾の場合には、子どもも外反母趾になりやすいといえます。
そのほか、足の筋力低下や、肥満による足への負担増も、アーチがつぶれる原因となり、外反母趾の発症にかかわってきます。
中年期以降の外反母趾は、こうした原因で発症するケースが多くなります。
外反母趾の方の靴選びのポイント
中敷き
土踏まずがあり、足裏を支え、さらに趾の付け根の横のアーチを支えるふくらみがあると疲れにくくなります。
つま先に余裕がある
つま先が丸くて、履いたときに趾先が当たらず、趾が動かせる靴がよいでしょう。
靴のつま先まで足を入れてみて、かかとの後ろに指1本入るくらいの余裕があるものを選びましょう。
足囲が合う
趾の付け根のあたりは締めつけず、甲のあたりは緩すぎないでぴったり合うものを選びましょう。
靴底が適度にしなう
底が硬くて靴がしなわないと、歩くときに足に負担がかかります。
ただし柔らかすぎても足のアーチを支えられないので、適度にしなうものがよいでしょう。
ヒールが高すぎない
ヒールの高い靴は、体重がつま先にかかって、痛みを招きます。
ヒールの高さは3cmまでにしましょう。
かかとがフィットする
かかとが浅い靴は、脱げやすくて歩きにくくなります。かかとを包む深さと足に合ったカーブがあるものを選びましょう。